離島医療に従事している自分からすると衝撃的な題名である。
島民を馬鹿にしているのか!?という先入観をもって読み始めたのだが、読み終わるとものすごく納得する自分がいた。
この書籍は精神科医である森川先生が自殺希少地域に自分の足でいくつも周り、その土地の人たちの暮らしぶり、なぜ自殺が少ないのかについて感じたことをまとめられた本である。
何かをすることは何かが起こるものである。予防や防止はある程度できるかもしれないが、起こったからといってそれを誰かの責任に落とし込んでも問題解決にはならない。
この本が伝えたかったメインのところでは決していない、この2ページが私のこころに強く響いたため、あえてこの2ページのみを言及してみる。
この一文は正に日本人の悪しき考え方というか、基質というようなものをうまく指摘していると思う。
何かが起きた時に悪者探しをしたり、何かが起きた時にその後に厳しいルールを作ることが正しいのだろうか。新しいことを始めるとき、(例えば勉強会、何かの新しい治療でも構わない)それに伴うリスク・危険性はつきものである。リスクをすべて予防するのは不可能であるが、もし予防しきれずその危険性にはまってしまった際に、新しいことを始めたその人を祭り上げて非難することが果たして正しいことだとろうか。
私はまず、その挑戦をしたことをリスペクトすべきと思う。挑戦をする人間は必ず不安と隣り合わせであり、無責任に挑戦することは決してない。非難することが答えであるのならば、だれも挑戦はしなくなり、結局何の発展もしない足の引っ張り合いの組織になってしまう。
勇気を出して一歩踏み出す人間をまずは賞賛し、何か起きてしまえばチーム全体でカバーしあえる、そんなチームの一員でいたい。