2020.7.10 大阪フィジカルクラブ

毎年お世話になっている大阪大学老年・高血圧内科の講演会、コロナ禍でありますが、なんとか今年も開催されました。

しかし、当然例年通りにはいきません。コロナなしには語れないフィジカルクラブ、オンラインではなくリアルでの講演会は今年度最初で最後で最後かもしれませんのでチカラが入りました。

そう、今年はアクリル板を前に、演題から降りずに講演するという、フィジカルクラブではおそらく初めてという動かないフィジカルクラブでした。

身体診察の前にお話しした内容。世界の医学教育はコロナ襲来前からオンライン化しようとしていた。という論文の紹介です。

この論文はコロナが始まる直前に書かれたもので、この論文を後押しするようにコロナによって世界中で授業のオンライン化が進んでいます。

 

そしてフィジカルクラブが目指す臨床教育はベッドサイド回診のオンライン化Physical Round Online(PRO)です。実際毎週行っているオンラインでの回診風景を紹介させて頂きました。

演者台から降りれないなら・・・知恵を絞るのみ!スマホとプロジェクターを使ってドアップでフィジカルを披露しました。

今回のテーマは「肩関節の診察」。解剖を理解することが肩関節診察の苦手意識を払拭する最大台の方法。特に回旋筋腱板(フィジカルクラブでは通称肩のアベンジャーズ)を模型を使って解説しました。

決して動けなくてもみんなで一致団結してフィジカルは学ぶ事ができる。今回証明出来ました。インピンジメントサインを中心にフィジカルトレーニングを行いましたが、誰1人インピンジされることなく、学ぶ事ができました。

肩のフィジカルは今後Youtubeでもアップしていきますので、是非復習にご活用下さい。

今回おそらく8回目の参加をさせて頂いたのですが、あらためて老年医学と総合診療、そして身体診察の親和性を強く感じました。老年医療では特に診断までの選択、治療の選択、社会の問題は全ての患者で違う選択が問われます。患者のストーリーに入らなければエビデンスだけでは決められないことばかりです。ストーリーに入るきっかけとなるのが患者のストーリーを傾聴すること、患者にタッチすること。今回の勉強会では僕自身も単なる技だけがフィジカルではない、と伝えたい大きなメッセージでした。

このような機会を毎年いただいて、本当にありがとうございます。

来年もリアルの勉強会が実現することを祈っています!