糸魚川病院での回診&フィジカル
今回も症例をベースに教育回診および日常診療に役立つ身体診察を行いました。
今回の症例は嘔吐、めまいという症状を訴えた60代男性
普段は車を運転する仕事をしている方で仕事が終わり帰宅したころからなんとなくむかむかするような気持ち悪さ、嘔気があり、夕食後増悪して嘔吐したため来院。受診後診察中より再度増悪し、浮動感、めまいも出現し歩行困難となったため入院となりました。
さて、今回はこの症状から鑑別診断を皆で検討しました。特にコモンな疾患、見逃すと命に関わる疾患を念頭において鑑別を考えました。
ホワイトボードにはたくさん鑑別が挙がりましたが、+○○の部分がなく、嘔気のみでこのような診断になることがまれにあるということが非常に大切です。胸痛を欠く心筋梗塞や腹痛のない胆管炎・胆のう炎もまれにあります。
嘔気を「胃腸炎」と決めつけずに対応することが非常に大切になります。
そして、いよいよ回診。診察に行くと、昨日と違い、すっきり症状は治まっていました。
良性発作性頭位性めまいを念頭にDix-Holepike、Head-roll法を行いましたが、めまい・嘔気は出現しませんでした。
原因ははっきりしませんでしたが、症状はすっかりよくなっている。という結果でした。