糸魚川病院でのフィジカルクラブ&回診!
毎月恒例となった糸魚川病院でのフィジカルクラブ。
今回は部活動でのフィジカルクラブとベッドサイド回診の2本立てでした。
前半は心音の極意、Ⅱ音とその鑑別を行いました。
生理的Ⅱ音の分裂と言えど、かなり意識して聴かないと分裂は聞こえない!
部員のコスモが素晴らしかったです!
今回の回診症例は80代代男性の患者さん。
元々ADL自立し毎日散歩を行うほど元気な方ですが、1週間前から身体のあちこちが急に痛くなり。体動困難となって来院されました。発熱は経過中認めませんでした。
採血では血沈>100/h、CRP30台と著明な炎症を認めました。
ここまでの病歴から、高齢者に発症したリウマチ性多発筋痛症をまずは疑いました。
が、、、、なぞの肝機能障害を認めておりました。AST600代で、その他ALT,ALPも同様に3桁に上昇しておりました・・・
うーん、、、と悩みつついざ回診へ
患者はベッドで仰臥位、両側開脚位で、身体がだるそうに横たわり、湿性咳嗽をしていました。
足の関節から診察すると、足趾・足関節には圧痛はなく、右膝、両股関節に圧痛体動痛を認めました。その他、両手関節、右優位の肘関節、両側肩峰下滑液包に圧痛を認めました。
自立座位は背中の痛みで出来ず、脊柱叩打痛は認めませんでした。
大関節優位の関節痛でしたが、手関節の圧痛はPMRらしくない所見でした。
急激な体動困難、大関節優位の関節痛からはやはりPMRを疑いたい診察所見でしたが、肝障害の説明はやはり難しいですね~
UpToDateでPMRを検索すると・・・
●Liver function tests, especially alkaline phosphatase, are occasionally elevated, although these abnormalities are more common in patients with GCA than isolated PMR. The creatine kinase (CK) is always normal.
と記載されており、ALPの上昇は炎症の結果から上がってはいいものの、説明困難でした。またこの患者は肝炎ウイルスは検査で否定されています。
Crea1.3ていどの腎機能障害もあり、造影CTが撮影しづらいのも難点で、診断はかなり難しそうです。
現時点では
PMR、ANCA関連血管炎、感染性心内膜炎、結核、悪性腫瘍関連関節症などが鑑別に挙がり、各種採血、培養結果を待つという運びになりました。
それにしても、この肝障害って。。。
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