2019.2.4-9.東海大学医学部5回生 宮地さん

精神科医になりたいと昔から考えており、内科疾患もちゃんと学びたいという考えから参加していた総合診療の勉強会やフィジカルクラブの中で、問診や診察の奥深さを知り、実際に総合診療の現場を見てみたいと思ったのが実習に参加したきっかけです。

 

 

2019年2月4日(月)~2月9日(金)の間で、名瀬徳洲会病院と喜界島徳洲会病院で実習をさせていただきました。スケジュールとしてはこのようになりました。

 

AM

午後

病棟回診

喜界島徳洲会病院にてJAPAN HEART講演会参加、平島先生と当直

病棟回診・平島先生外来見学

喜界島案内、平島先生・研修医の先生とフィジカル勉強会、奄美大島に戻り歓迎会参加

病棟回診・平島先生外来見学

訪問看護参加・平島先生・研修医の先生と勉強会、平島先生と当直

朝のフィジカルクラブ、小田切先生産婦人科外来見学

小田切先生レクチャー

外来見学

画像勉強会、病棟回診

患者さんへの姿勢

一番印象に残っているのは平島先生が患者さんと向き合う姿勢です。病棟回診と外来で、患者さんの肩に手を置き、聴診を行う平島先生の真摯な姿を見て“患者さんの困っていることを解明し助けたい”という気持ちが伝わってきました。検査をすれば分かることも多いかもしれませんが、フィジカルで分かることもたくさんあり、検査機器などが限られた状況においては特に重要な情報源となり、さらに”対話”の1つの形にも成り得るということを、患者さんと先生を見て感じました。

島との距離と時間

奄美大島は沖縄県と鹿児島県の間にあります。鹿児島県に属していますが、距離としては沖縄県の方が近いという特徴があります。奄美ドクターヘリが2、3年前から導入され、緊急島外搬送ができるようになったそうですが、この島間の距離などの関係上、患者さんの搬送には早急に最善の選択を求められます。普段の医療においても、やはり制限はあり、例えば輸血製剤も多くは保存しておけないため、大量出血が予想される場合はあらかじめ準備をする必要があります。つまり自分の大学病院でできている様な、専門的で高度な医療は提供できませんが、総合的で高度な判断力が最小限の人材の中で求められている、ということに島の病院の先生方の話を聞いて気付きました。

日々の新しい発見をせよ!

研修医の先生方に向けた勉強会がほぼ毎日開催されており、たくさん参加させていただきました。オスラー先生の本をもとに勉強した「パーキンソン+αのフィジカル」、研修医の先生による「便秘」、朝のフィジカルクラブにて「JVP」などなど盛りだくさんの内容でした。例えば拍手を3回続けて行ってもらう拍手徴候というフィジカルがあるそうで、パーキンソン症候群の患者さんでは抑制が効かず、何回も続いてしまいます。それを学んだ翌日、平島先生が患者さんに実際に行ってもらう所を見させていただき、勉強と臨床の間に垣根はなく、常に新しい発見の場であると感じました。そして共有する事も大切にされていて、奄美の研修医の方々による勉強会ブログなども存在します。

私はまだ自分の方向性が定まってはおらず、中途半端な状態でこの実習に参加しましたが、先生方はみな真剣に私の将来について相談に乗って下さいました。それは私のこれからの選択によって、そして時間の使い方によって、助けることのできる患者さんが1人でも多いように、という想いが託されていたからだと思っています。1週間貴重な体験をさせていただき本当にありがとうございました。この場をお借りして、平島先生、奄美の先生方、事務の方々にお礼申し上げます。